大ヒットアニメ『ドラゴンボール』の中でも映画限定キャラの中でも人気1・2を争うブロリーと最強のキャラの1人でもあるゴジータが戦うシーンが見れる『ドラゴンボール超 ブロリー』TV放送もあったことから多くのファンがすでに見ていることでしょう。
多くのファンはすでに知っている事だと思いますが、実はこのブロリーは旧作の「熱戦烈戦超激戦(1993年)」「危険なふたり!超戦士はねむれない(1994年)」「超戦士撃破!!勝つのはオレだ(1994年) 」の3作にすでに登場しています(「超戦士撃破!!勝つのはオレだ 」については厳密にいえばブロリーとは言い難いですが)が、明らかにキャラデザインも含めてストーリーなども違ったものになっていました。
しかも今作『ドラゴンボール超 ブロリー』ではこの過去3作が無かったことのような扱いでブロリーの生い立ちなどがこれまでと異なって描かれていました。
また、今作で悟空とベジータはフュージョンをすることになるのですが、こちらも「復活のフュージョン!!悟空とベジータ」ですでに1度ゴジータになっているにも関わらず、まるで初めてするかのようなやり取りが行われました。
一体なぜこの2つは無かったことになっているのか?そして、ブロリーについて異なっている箇所について紹介したいと思います。
ネタバレばかりですので、ご了承下さい。
旧作はパラレルワールドとして扱われることに!?
大前提として、なぜここまで矛盾が起きるのかというのは、作品に原作者である鳥山明氏が関わっているかどうかが大きなポイントになります。
まず旧作である「熱戦烈戦超激戦(1993年)」「危険なふたり!超戦士はねむれない(1994年)」「超戦士撃破!!勝つのはオレだ(1994年) 」の脚本は小山高生氏が務めており、キャラクターデザインこそ行っているもののアニメスタッフが提出した企画案を基にデザインしたものとなっていた。
【旧作タイトル一覧】
- 第1作目『ドラゴンボール 神龍の伝説』(1986年)
- 第2作目『ドラゴンボール 魔神城の眠り姫』(1987年)
- 第3作目『ドラゴンボール 摩訶不思議大冒険』(1988年公開)
- 第4作目『ドラゴンボールZ』(1989年公開)
- 第5作目『ドラゴンボールZ この世で一番強いヤツ』(1990年公開)
- 第6作目『ドラゴンボールZ 地球まるごと超決戦』(1990年公開)
- 第7作目『ドラゴンボールZ 超サイヤ人だ孫悟空』(1991年)
- 第8作目『ドラゴンボールZ とびっきりの最強対最強』(1991年)
- 第9作目『ドラゴンボールZ 激突!!100億パワーの戦士たち』(1992年)
- 第10作目『ドラゴンボールZ 極限バトル!!三大超サイヤ人』(1992年)
- 第11作目『ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦』(1993年)
- 第12作目『ドラゴンボールZ 銀河ギリギリ!!ぶっちぎりの凄い奴』(1993年)
- 第13作目『ドラゴンボールZ 危険なふたり!超戦士はねむれない』(1994年)
- 第14作目『ドラゴンボールZ 超戦士撃破!!勝つのはオレだ』(1994年)
- 第15作目『ドラゴンボールZ 復活のフュージョン!!悟空とベジータ』(1995年)
- 第16作目『ドラゴンボールZ 龍拳爆発!!悟空がやらねば誰がやる』(1995年)
- 第17作目『ドラゴンボール 最強への道』(1996年)
【新作タイトル一覧】
- 第18作目『ドラゴンボールZ 神と神』(2013年)
- 第19作目『ドラゴンボールZ 復活のF』(2015年)
- 第20作目『ドラゴンボール超 ブロリー』(2019)
旧劇場版のドラゴンボールについてはこれまで原作との整合性が取れないことが多々あり、あくまでもドラゴンボールの『正史ではなく』パラレルワールドとしての位置付けであった。
しかし、『ドラゴンボールZ 神と神』から鳥山明氏が原案、脚本に加わるようになりドラゴンボールの正史として劇場版を作り上げられており、今回の『ドラゴンボール超 ブロリー』でブロリーとゴジータを組み込むため鳥山明氏によって書き直されたまさに正史と言えます。
ブロリーについて旧作
ブロリーは旧作は3作品制作されており、1作目のブロリーが一番本来のブロリーとしての特徴があるため、「熱戦烈戦超激戦(1993年)」のブロリーの特徴について解説します。
生い立ち
まず生い立ちについてですが、旧作でブロリーはカカロット(孫悟空)と同じ日に生まれ出生時から突出して高い戦闘力をもっていました。(エイジ737生まれ)
同じ部屋のベッドに寝かされていた2人でしたが、赤ちゃんながらにカカロットの泣き声がうるさくて眠りを妨害されていたことや、戦闘力の低いカカロットに泣かされていたという事がブロリー自身のプライドが障っており、後々まで深い恨みとしてカカロットを憎むようになった。
そして、その高すぎるブロリーの戦闘力で自身の地位が揺らぐことを恐れたベジータ王から、「パラガスの息子をただちにこの世から抹殺しろ」と命令下されることに。
父親のパラガスと共に処刑されそうになる赤ん坊ブロリーは瀕死の重傷を負わされる。
しかしフリーザが惑星ベジータを破壊した一撃の際にブロリーの潜在能力が覚醒し、惑星ベジータの消滅から生き残ることに成功する。
人物像
ブロリーは普段は物静かで、か細いイメージであるが一度暴走し、超サイヤ人に覚醒すると相手を見下したり、自分の強さを強調したり、相手が嫌がることをしたりと残虐非道になる。
もともと超サイヤ人になるには激しい怒りがきっかけとなるため、そのような特徴が現れるが、ブロリーはまさに伝説の超サイヤ人というさらに上の存在であった。
※そもそも悟空たちがなる『超サイヤ人』とブロリーの『伝説の超サイヤ人』は別物であり、『伝説の超サイヤ人=千年に一人現れる破壊と殺戮を好む最強の戦士』と言われており、まさにブロリーのことを指す言葉となっています。
そして主な特徴としては、白目と筋肉が大きく膨れ上がった肉体と気が高まり溢れるがその特徴ともいえます。
ブロリーは幼少期には超サイヤ人に覚醒している。
そして徐々に破壊を楽しむ凶暴性を見せ始め父のパラガスでさえブロリーに恐れ慄き、まさにサイヤ人そのものと評する程だったが、あまりの力に恐れをなしたパラガスはある時ブロリーの寝込みを襲い制御装置を取り付けられコントロールされてしまうようになる。
しかし、作中でカカロット(悟空)との再会により幼き頃の憎悪が再び増幅し、パラガスの制御装置でも制御不能の伝説の超サイヤ人として悟空たちに襲い掛かることになる。
その戦闘力は他の超サイヤ人の悟空、悟飯、ベジータ、トランクスとはけた違いで全く歯が立たない上にベジータは伝説の超サイヤ人なんだと恐れおののいてしまい、戦意喪失したりするほどだった。
肝心の悟空ですら少しくらい手加減しろよとらしくない言葉を吐くほど。
根本的は性格は『悪』で、星を破壊したり、親を消すことになんのためらいもない残酷な性格となっている。
ブロリーについて新作
ドラゴンボール超のブロリー旧作とはキャラクターデザインが一新されています。
生い立ち
過去作ではブロリーとカカロット(悟空)が同じ年で、2人が赤ちゃんのころにベジータすでに惑星の地上げの仕事をしていたとのは異なり、今作はベジータと近い年齢となっている。(エイジ739年)
ブロリーはベジータをも超える潜在能力に嫉妬し、抹殺を図ったベジータ王の手により、幼少期に人がいない過酷な環境の小惑星バンパに宇宙ポッドで飛ばされてしまう。
きっかけはコルド大王が軍を引退することでフリーザへと司令官を引き継いだ際に、スカウターを支給されたことによる戦闘能力の見える化でした。
そのため、我が子ベジータと選ばれたエリートサイヤ人しか入れない特別なポットにブロリーが入れられていたことが気に食わなかったよう。
またブロリーの異常なまでに高すぎる潜在能力から、いずれ正常な精神を保てなくなり危険な存在になると危惧したことからベジータ王はそういった仕打ちを行いました。
助けに追いかけてきた父のパラガスはブロリーを見つけ出したが、宇宙船が壊れてしまったため、2人きりでこの過酷な惑星で41年間生活していた。
人物像
今作のブロリーは幼少期から辺境の星でしばらく1人で生きていた事、父親のパラガスには復讐の事しか頭になく、ブロリーを強くすることしか頭になったため、戦闘と最低限生きて行くため以外のことは何もしらないピュアな心を持つ青年であった。
そのため今作で酷い仕打ちを受けており、旧作では躊躇なく消した自身の親のパラガスについても「お父さんのことを悪く言ってはいけない」と庇ったり、父親想いのところがあります。
旧作のブロリーは『伝説の超サイヤ人』として特別な存在として取り上げられていましたが、今作では特筆されてはいません。
しかし、戦闘能力の成長スピードが異次元で、最初は通常状態のベジータと互角程度だったが、どんどん戦闘力上げていきしまいにはベジータや悟空らが超サイヤ人、超サイヤ人ゴッド(赤髪)に変身してもブロリーは通常状態のままで実力が拮抗するまでに。
その秘密はサイヤ人が大猿になった時にパワーが大幅に上昇するのだが、ブロリーは大猿になることなくその変身状態になることが可能であったからだった。
ただし、自分でもその力をコントロールすることが出来ずに力と凶暴性だけが増していく旧作のブロリーのようになるようだ。
しかし、さすがに超サイヤ人ゴッド超サイヤ人(ブルー)となった悟空には少し劣っており、次第に追い込まれてきたところを、フリーザの陰謀によってパラガスを殺された怒りから超サイヤ人として覚醒し、さらに力の暴走が始まりついには悟空とベジータの2人かかりでも全く歯が立たなくなってしまう。
ちなみに超サイヤ人となったブロリーはやはり白目で肉体も大きくなっていたり、戦闘力がドンドン上昇する様には、名言はされていませんが、やはり『伝説の超サイヤ人』なのだなと感じました。
根本的は性格は『善』であり、周りにまともな人がいれば正しく生きていけるキャラである。
決着の付け方
それでは、『熱戦烈戦超激戦(1993年)』と『ドラゴンボール超 ブロリー』はどのように決着がついたのか?
まず新・旧どちらのブロリーもすでに1人の力ではどうにもならず力が暴走している状態であった。
【旧作パターン熱戦烈戦超激戦(1993年)】
旧作では、ブロリーにやられた他Z戦士たちが悟空に力を集めることでなんとかブロリーを打ち破ることが出来たが、悟空がやられている間 中々送らないベジータにやきもきした記憶があります。
【新作(ドラゴンボール超 ブロリー)のパターン】
新作では、劇場版・作中含めたキャラの人気・実力共にトップくらすのゴジータが登場し、ブロリーを圧倒していく。今作のブロリーは悪ではなかったため最後の止めの直前でドラゴンボールの願いによって元いた星に避難することが出来た。
個人的にはもし仮にゴジータとの戦闘が長引けばブロリーはそれすらも超えたのでは?とワクワクしました。そして、ゴジータのあまりの猛攻にブロリーがかわいそうにも思えてしまった。
パラガスによるコントロール装置
どちらのブロリーも力が暴走することを恐れたパラガスによって制御されていまいたが、その制御装置がそれぞれ異なっておりました。
【旧作パターン熱戦烈戦超激戦(1993年)】
旧作では本能のまま暴走するブロリーを操るために、パラガスがタコ科学者に作らせた装置であり、ブロリーの頭・首・腕にそれぞれ取りつけられたリングと、パラガスの右手に取りつける腕輪状のリモコンがセットなっており、ブロリーの力の高ぶりを抑え込んでいた。
ブロリーの気の高まりによって最終的に頭のリングが破壊され制御不能となった。
【新作(ドラゴンボール超 ブロリー)のパターン】
新作の装置はあの惑星でどう作ったのかは不明だが、ブロリーの首にはリングが付けられ、パラガスの持つリモコンのスイッチを押しことでブロリーに電流が流れ動きを止める装置となっている。
ブロリーに対して使用しているのを目の当たりにしたチライがパラガスのバックから早々に盗みその後は制御不能になった。
こちらもブロリーが悟空と対峙し気を高めた瞬間に首のリングが破壊されているが、ほんの一瞬の映像のため「いつの間にリングなくなった?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
その他の原作と新作の相違点
それでは旧作と新作とで他にも異なる点について解説したいと思います。
惑星ベジータの消滅にベジータ巻き込まれなかった理由
【原作パターン】
原作ではフリーザの攻撃によって惑星ベジータを消滅させる際にベジータがいなかった理由はベジータがいない時敢えてを狙ってフリーザが攻撃したようでした。
理由は王子であったベジータの天才的なウデが使えそうだったためだとドドリアによって告げられていました。
【新作(ドラゴンボール超 ブロリー)のパターン】
ただフリーザの招集命令を無視したため。
カカロット(悟空)の母親の存在
これまで悟空の母親の存在についてはアニメではその姿は不明のままでしたが、『ドラゴンボール超 ブロリー』ではアニメの中で初めて登場しました。
悟空の母親の名前は『ギネ』
これまで2014年4月発売の鳥山明氏のコミック『銀河パトロールジャコ』のおまけ読切漫画『DRAGONBALL-(ドラゴンボールマイナス)放たれた運命の子供』にて登場し、初めてその姿が明かされた。
父バーダックの違い
【原作(旧作含む)パターン】
未来予知能力を得た事でフリーザの手によって惑星ベジータが消滅してしまう予知をしたバータックはその陰謀を阻止するため、フリーザに立ち向かうがあっさり敗れてしまい、カカロット(悟空)に希望を託して散っていった。
原作(旧作)ではどこか冷たい印象が強いバータック。
【新作(ドラゴンボール超 ブロリー)のパターン】
新作では未来予知能力は無いが、フリーザ軍の招集命令に底知れぬ嫌な予感を感じた。
そこでまだ保育ポッドに入っていたカカロット(悟空)を比較的安全な地球へ向けて脱出させた。
その後予感の通りフリーザの攻撃が起こり反抗するが惑星ベジータごと消されてしまう。
まとめ
作中人気キャラのブロリーについて旧作と新作での違いやブロリーの違いについて解説してきました。
特に『ドラゴンボール超 ブロリー』の方では、劇場版随一の人気キャラのブロリーとゴジータが戦闘を行うということで非常に盛り上がりましたが、いかんせんブロリーが根がピュアで優しい人格のため、圧倒的なゴジータの攻撃を受けているシーンは少し同情してしまうところもありました。
しかし、それでもブロリーの圧倒的戦闘力の高さが分かる面白い物になっていました。
過去作品のブロリーについても悪を徹底しており、強敵!といった感じがヒシヒシと伝わってきて非常に見ごたえがあります。