エヴァンゲリオンに登場する『死海文書』というワード
碇ゲンドウやゼーレの会話のやりとりなどでよく耳にしますが、一体なんなのか?
そしてそこには何が書かれているのかについて解説していきたいと思います。
Amazonプライムビデオでエヴァンゲリヲン視聴する【公式サイト】
死海文書【裏死海文書】とは
死海文書(別名:死海写本)とは現実世界にも実在しており、1947年以降死海の北西【ヨルダン川西海岸地区】にある遺跡キルベト・クムラン洞窟などで発見された972の写本群の総称で旧約聖書のことなどが書かれています。
これらの文書は、ユダヤ教やキリスト教の宗教的なテキストや歴史的な資料などを含んでおり、特にユダヤ教の聖書である旧約聖書の写本が含まれています。以下に、死海文書に関する主なポイントを紹介します。
1. 発見と洞窟
- 死海文書は、1947年にベドウィンの少年が偶然発見したことから始まりました。彼は洞窟で数巻の手稿を見つけ、これを専門家に見せたことで注目を浴びました。
- 続いて、死海周辺の洞窟からさらに多くの文書が発見され、合計で11の洞窟から約900以上もの文書が見つかりました。
2. 内容
- 死海文書には、ヘブライ語やアラム語で書かれた手稿が含まれています。これらの文書は、宗教的なテキストや法的文書、詩、歌、暦など多岐にわたります。
- 最も注目されるのは、旧約聖書の書物の写本で、特にイザヤ書や詩編、ダニエル書などが含まれています。これにより、当時のユダヤ教の宗教的な信仰や教義に関する理解が深まりました。
3. エッセネ派との関連
- 死海文書は、エッセネ派と呼ばれるユダヤ教の宗派によって書かれたと考えられています。エッセネ派は、紀元前2世紀から紀元後2世紀にかけて存在したユダヤ教の一派で、死海の周辺にコミュニティを形成していたとされています。
4. 保存状態と保存場所
- 死海文書は、乾燥した環境に置かれていたため、保存状態が非常に良好でした。これが文書が数千年にわたりほぼ無傷で保存された理由の一つです。
- 発見された洞窟は、死海の西岸に位置しており、文書の保存状態を保つ乾燥かつ塩分の多い環境があったことが影響しています。
5. 歴史的・宗教的な意義
- 死海文書は、旧約聖書の写本に関する研究や、ユダヤ教とキリスト教の歴史的・宗教的な理解に大きな影響を与えました。文書には、聖書の異なるバージョンや注釈、当時のユダヤ教の異なる宗派に関する情報が含まれています。
また非常に謎も多く、エヴァと同様に人類の誕生と人類の未来について描かれている説もあり、この事からエヴァの世界における死海文書に一部通じるものがある。ただし当時はこの死海文書を読めばエヴァの謎が解けるという見出しなどで死海文書が売れたことから旧劇場版からは現実世界の物と区別するため、裏死海文書や裏死海文書外典などと呼ばれています。
エヴァの世界における死海文書
©GAINAX
エヴァの世界における死海文書(裏死海文書)には何が描かれているのか?
そこには使徒に関する事と人類に関する事、そして人類の原点回帰の方法などが記されていました。
これを発見したゼーレは死海文書に沿って『人類補完計画』を遂行するために、ネルフを使って死海文書のシナリオ通りに使徒を殲滅していきます。
死海文書はアダムと共に『白き月』に入っていたとされ、この宇宙のどこかに存在する高度な知的生命体によってアダムと共に送られてきたものだとされています。
この死海文書通りに計画を遂行し、『人類補完計画』を成したいゼーレと妻であるユイに会うためにこれを利用しようとする碇ゲンドウの間での駆け引きがあり、それこそがエヴァンゲリオンのメインストーリーを形成する主軸となっています。
そして、ゼーレ、ネルフといった組織によって翻弄される子供たち(エヴァパイロット)の葛藤こそが見どころ。
ゼーレとネルフ(碇ゲンドウ)の狙いの違いについてはこちらで解説しています。
新劇場版エヴァンゲリヲンの序・破・Qは今ならAmazonプライム会員の方なら無料で視聴出来ますので、お見逃しなく